初めてラブドールをメイクするお姉さんの物語!

ラブドールは主に男性が愛ある行為をするために作られた人形。その皮膚感覚はかなり人間に近くて今や性的な目的だけじゃなく、美しい造形から女性からも注目されているの。

ラブドール

浜辺:私の名前は浜辺茉由です。美容やメイクが得意という理由でレンタルくびれたぬきに紹介されてこの場所にやってきたんだけど・・・ボンボン、失礼しまーす!
面接官:お待ちしておりました、担当の権田とお申します。早速面接を始めたいと思います。
浜辺:はい!ちゃんと面接もあって、しっかりしてそうだな、この職場!
面接官:では、スリーサイズをお伺いします!
浜辺:えええ‼ちょっといきなりセクハラじゃないですか!
面接官:え?モデルとして応募されてきた方ですよね?
浜辺:モデル?えっと・・・メイクをお願いしたいと言われてきたんですけど・・・それに壁中に何やら女の子のポスターが・・・これは何ですか!?
面接官:ああ、今日社長が言っていた!失礼しました!ここはラブドールの製造工場ですよ!
浜辺:ラブドールってあの、男性がいかがわしいことに使うあのラブドールですか!?
面接官:はい、そうです。でも今は人形の美しさに憧れを持つ女性も多くて人気なんですよ!
浜辺:そんなんですか?
面接官:それで、ラブドールの全身モデルとして応募する方も多いんです。だからてっきり、その希望者の方なのかと・・・多分、製造の方ですね!
浜辺:いきなりセクハラされたかと思いました!ていうか、ラブドールを作る場所だったんですね!
面接官:でも、浜辺さんの体型ですと不採用ですけどね!では、案内します。
浜辺:この人超失礼なんですけど!案内されたのは・・・
浜辺さんに手伝っていただくところはここです!あとはミサキさんに聞いてください
浜辺:はい・・・

ラブドール

ミサキ:メイク得意なんだって?これからよろしくね。
浜辺:はい!よろしくお願いします!失礼ですけど、こういうのっててっきり男の人がつくっているんだと思ってました。
ミサキ:メイクは女の人の方が得意だからね。それに、ここで顔を担当してるのは造形、特殊メイクを学んだ女性が多いんだよ
浜辺:なるほど・・・そうなんですね!ていうか、この人形すごい柔らかい・・・
ミサキ:そりゃ、人間の皮膚感を追求した職人の技だからね。ここは頭部メイクの部署だけど、体を作る部署は職人たちがやってるからこのリアルさなんだよ。
浜辺:1体いくらくらいするんですか?
ミサキ:70から80万円、だからむやみに触っちゃダメだよ、傷つけたら大変だから
浜辺:ええ!高い!
ミサキ:1日2体から多くて3体くらいしか作ることが出来ないらしいんです。
浜辺:知らなかった、高級品なんですね
ミサキ:まあそんなことはいいから、この子のメイク手伝って
浜辺:この顔、橋本環奈ちゃんに似ているなあ。ガッキーに似ている顔もさっき見かけたし。ミサキさん!この子はどういうメイクをすればいいんですか?
ミサキ:その子は、橋本環奈風のメイクでお願い!
浜辺:やっぱり!?似ていると思いましたよ!どうしてですか!?
ミサキ:世間的にも可愛いし、人気のある顔だからね。ドールを作る前は、流行りの情報を会議の中で出し合って意見交換もするよ

ラブドール

浜辺:じゃあ、さっきモデル希望とか言われたんですけどもしかして・・・
ミサキ:そう、一般の人からもドールの顔や体のモデルになる人を募集しているの。顔を3Dプリンターでスキャンしたり、体を型取り剤でとったり・・・まあ、採用率は低いけどね
浜辺:そうですよね・・・こんなアニメみたいな体の人はそういないですよね
ミサキ:最近はグラビアアイドルのような体型だけじゃなく、バランスの取れたほどよい体型の需要も増えているよう・・・
浜辺:私は・・・胸おっきい方がいいな
ミサキ:とはいえ・・・バストが大きい方が圧倒的人気だわ
環奈ちゃんみたいに上手くメイクできた!できました!
ミサキ:上手いじゃない!購入者はラブドールを購入することを「嫁入り」と呼ぶほど、カタログ写真と実物が違うことに敏感だから、すべて同じ顔にするのが腕の見せ処なのよ。
浜辺:そんなんですね!
ミサキ:じゃあ、次はこっちをお願い!アンダーヘアの植毛
浜辺:えええ!これって手作業なんですか!?
当たり前よ!一本一本手作業で縫い付けてこそリアルさが出るからね!
浜辺:これはリアルすぎる・・・

ラブドール


こうして、ラブドールの製造を続けていく内に愛着を持つようになり・・・
浜辺:できた!嫁入り行ってらっしゃい!とある展示会に初参加した私は・・・購入者は男性が多いのに、展示会は女性が多いなあ
参加者:あのすみません!最新作全て予約をお願いします!
浜辺:ええ!?合計300万円です!
参加者:オプションで全部の顔を橋本環奈ちゃん風にお願いしますね!

ラブドール


世の中にはドールと暮らすユーザーもいるとは聞いてたんですが・・・ドールの世界はやっぱり計り知れぬ・・・つづく