リアルドールと紅の破壊者ー第二回

前回つづく・・・
目の前に、マスクをつけてナイフを持つ赤髪の男です。
エリー:見つけた、そこにいるんだな
リズ:え?
エリー:やあ、ドール。やっとお目覚めか。驚いたよ、この辺りはとっくに狩りつくしたと思っていたんだが、まだ生き残りが居たとはな。俺はデストロイヤーのエリー。契約に伴い、お前を破壊する!

 

ラブドール

リズはすぐ逃げ始めていた。
リズ:に、逃げなければ!!ど、どうしましょう、どこかに隠れるところはありませんか!?こ、このテーブルの下ならどうにか・・・あの人は背が高いので下のものには気が付かないはず。
その男がテーブルに通過しました。
リズ:私を、探しているみたいです。
リズ:ああ、どうしてこんなことに・・!?私が何かしたんですか!?・・・良かった、行ってくれそうです。あれ、?何を見て・・っ!?
エリー:居るんだな、そこに
リズはエリーに押し倒れた。

 

ラブドール

リズ:ひっ!!どうして、居場所が?
エリー:発信機だよ。ドールに必ず付いているそれから居場所が割り出せるんだ。長々話している時間も無い。おしまいだ、ドール。
リズ:やめ、やめてください!!私はただ、旦那様を見つけたいだけなのに!!あなたが何を言っているのか全く分からないです。デストロイヤーって何なんですか、どうして私を襲ってくるんですか!?壊さないでください、私は生きているんですよ!!!
リズが立ち上がった!
エリー:・・!!
リズ:う、・・?動きが、止まった?よくわからないですけど、今のうちに!
リズが逃げようとした時に

ラブドール

エリー:待て
リズ:は、離してください!!
エリー:お前・・さっきは気が付かなかったが、もしかして記憶持ちか?いやでも全ては理解していないみたいだ。主人のことは覚えていてもデストロイヤーのことは知らない。記憶混濁か。仕方ないのかもな、今までずっと眠っていたのなら。
リズ:あ、あの、なんの話ですか?
エリー:・・来い、お前を判定しよう。
リズ:どういうことですか?
エリー:今のお前は記憶があるのか無いのか曖昧な状態だ。そんなお前を有無を言わさず破壊すると俺が上に怒られるからな。お前が記憶を取り戻せるように、説明をしてやろう。ノーと言えば非協力ドールとして即刻破壊だ。拒否権は無い。わかるか?
わかりました。
エリー:ああ、うん、いい子だな。おいで。とりあえず座ろうか。ほら、そこへ。よく聞けよ。まず、お前には二つの道が用意されている。保護か、破壊か。過去の記憶があるのなら保護。無いのなら破壊。お前はどこまで覚えている?なんでもいい、わかることを言ってみろ

ラブドール

リズ:ええと、私はドールのリズです。地下の棺の中で目覚めて、あ、ここは私の家なんです!旦那様のメイドをしています。でもどうしてこんなに荒れ果てているのが分からなくて旦那様もどこへ行ってしまわれたのかもわからなくてすみません、本当にこれしか知らないです。だから旦那様を探そうと思ったんですけど、あなたが来てそれが妨げられて・・
エリー:はあ、なるほど。やはり記憶が混濁しているようだ。それだけ覚えているなら立派だけどな、記憶が曖昧なドールを有無も言わさず破壊するのは契約違反だから、教えよう、お前に。まず、お前の主人は死んだ。

ラブドール

リズ:え?
エリー:100年も経っているんだからな、当然だろう。
リズ:え、待ってください。どういうことですか?どうして100年も?
エリー:順を追って説明しようか。ここはリアル人形と人間が暮らしている世界だ。人間の補助をするために作られたドールと呼ばれる人形が、主人に身を捧げ、共に生きている世界・・ここまでは分かるな?
リズ:はい。
エリー:それが、100年前の話だ。
エリー:当時、とある組織が主人のいるドールを誘拐し、改造して人々に害を及ぼす人形兵器とした。その人形兵器を「マリオネット」と呼ぶんだが、そこまで重要じゃないし、今は割愛しよう。その数がどんどん増えていき、手に負えなくなった政府が派遣したのが政府公認人形破壊部隊。俗に言う「デストロイヤー」だな。
リズ:デストロイヤー・・そういえば先程この人は、自身をそう呼んでいましたね。

ラブドール

エリー:政府は命令した、「マリオネットだけでなくそれになる可能性のあるドールを全て破壊しろ」と。つまり、人形のいない世界にしろと言ったんだ。その命令が下った後は戦争状態さ。デストロイヤーは各地のドールを壊して回る。だがドールは今まで当たり前のように普遍していたんだ、民衆がそれを黙って許すはずがないよな。人々はみんな武器を持ち、自分のドールを守るために戦った。デストロイヤーはマリオネットやドールだけでなく、人々をも殺していった。

 それが数年続いたかな、結局ほとんどのドールは破壊され、戦争は終わった。政府がデストロイヤーは解散したと民衆に発表した後も彼らは裏で各地に潜むドールたちを壊して回っていたらしい。そしてある程度の残りのドールは破壊され、デストロイヤーが本当に解散した後でもそれでもまだ、破壊しきれなかったドールが各地に身を潜めている。お前みたいにな。それを破壊して回るのが今の俺らデストロイヤーさ。

リズ:そ、そんな、そんなことが 棺に収まる私はその戦争から逃げられ、一時的に助かった。そして私が目覚めた今、あなたは私を壊そうとここまで来たんですね。

つづく・・・