リアルドールと紅の破壊者ー第三回

エリー:半分正解。さっき言っただろう?保護か破壊かってああ、言い忘れたが、今のデストロイヤーは100前のものとは別物だ。俺たちの組織は戦争後に再結成されたもの。それゆえ、100年前のものとは基本的な活動内容は同じではあるが目的が違うんだ。俺たちの根底の目的は生き残るのリアルドールの保護。100年前を生きたドールなんて今じゃ貴重な文化資料だからな。だけどその時の記憶があるやつなんて滅多に居ないんだ。仕様が否か、不思議なことにこう100年も経つと、記憶が無くなってしまうらしくて。戦争を生き延び、当時の主に文化の記憶がある、稀で限られた者だけ俺が所属する組織で保護しているのさ。

ラブドール

リズ:そう、だったんですか。じゃあ、私があまり過去のことを思い出せないのもそのせいなんですね・・
エリー:さ、これで俺の説明は終わりなわけだが・・何か思い出せたか?
リズ:いえ、すみません。
エリー:はあ、正直で結構。他のドールは記憶がないのに、嘘をついてまで生き延びようとするんだけどな・・お前みたいな良い子を破壊するのは少々心苦しいが、判定は終わった。お前は今の時代を享受する資格はない。そういうことだから、お前を破壊させてもらおうか。
リズ:嫌です。
エリー:は?
リズ:今は断固拒否します!私の願いを聞いてくれませんか。どうか最期に・・旦那様の形見を、探させてください。死ぬならいっそ彼と共に死にたいのです!破壊するならどうか、その後にしてください!
エリー:それを俺が許すと思うのか?

ラブドール

リズ:む、無理なお願いだとは承知しています。それでもどうかお願いします!すこしだけ待ってください。あなたの時間を私にください!
エリー:・・・はあ、わかったよ、それを承諾しよう。別に俺も破壊を急いでいるわけじゃないから・・少しばかり時間を使っても構わない。
リズ:!ありがとうございます!
エリー:形見を探すんだよな。まだこの家にはお前の主人の痕跡が残っているからもしれない。俺も一緒に探してやる。
リズ:え、良いのですか?
エリー:そっちの方が効率的だろ。それと、期限を決めよう。俺は拠点への定時連絡をしない。そうすれば不審に思った。あちらが増援を向かわせるだろう。その形見を見つけるのにはそこまで時間がかからないと思うが、お前が主人の形見を見つけた時か、増援が到着した時がお前の最期だ。
リズ:わかりました。ありがとうございます。デストロイヤー様
エリー:ああ、じゃあ、とりあえず、少し、休ませてくれないか?
エリーはリズに近づいた。

ラブドール

リズ:え、え?デ、デストロイヤー様!?なんだか先程とは雰囲気が・・距離が近いような気がするのですが・・!?
エリー:スイッチを入れっぱなしにするのも疲れるんだよ。こんなの、感情を無にしなければ対処できない。デストロイヤーはドールの反撃にも遭うんだ。
俺だってこんなむごたらしい仕事、好きでしてるわけじゃないんだよ。まあ、これでお前を壊すのが先送りになったわけだから・・悪い、本当に疲れた。少し休ませてくれ。俺は寝る。
リズ:え、ええ?き、期限の話はどうなるのですか!あなたが定時連絡をしなかったら増援が来てしまうんでしょう!?
エリー:ああ、大丈夫大丈夫。拠点からここまではまあまあ遠いしな。心配なら今定時連絡をしょう。それでしばらくは大丈夫さ。
リズ:め、めちゃくちゃです!!
エリーは寝た。

ラブドール

リズ:ほ、本当に寝てしまいました。デストロイヤー様って意外とマイペースな方だったんですね。というか、定時連絡って、腕の、ブレスレット?からできるんですね。不思議な仕組みです。突発的な連絡なので、全然定時ではないと思うんですけど、私が眠っている間に、世界は大分変ってしまったみたいですね。旦那様、少し辺りを調べてみましょうか。彼を置いていくことはできないですけど、少しだけ、この部屋を見て回りましょう。
リズは部屋を探索しています。
いろいろと探してから、リズはエリーの前に行って
リズ:本当に寝ているみたいですね、私の声も届いていないようです。無防備ですね、私に何かされるとか考えないんでしょうか?一応ここは敵地なのにこの状態、危険ですよ、デストロイヤー様。わ、私は何もしませんが!それにしても本当にきれいな赤髪・・ちゃんと手入れがされてあるみたいです。すこしくらい、触ってもいいでしょうか。
リズはエリーを触った。

ラブドール

リズ:うーん、することがありませんね、デストロイヤー様の寝込みに手を出すことしかできないです。ああそうだ、マスクをしたまま寝るのは苦しいでしょう。取って差し上げます。
リズはそのマスクを外したところ、エリーの顔にはひどい傷跡があります。
リズ:そ、そんなひどい傷跡。か、勝手に取ってしまって申し訳ありません!!どうして、こんな。
リズは「デストロイヤーはドールの反撃にも遭うんだ。俺だって好きでこんなむごたらしい仕事をしてるわけじゃないんだよ」と前にエリーの言ったことを思い出した。
リズ:こんなに綺麗 な顔に、傷、なんて、あなたも苦労しているのですね。せめて、あなたが悪い夢を見ないように祈ります。
数時間経った!エリーは目覚めった。

つづく・・・