リアルドールと紅の破壊者ー最終回

リノーツは拳銃を出してリズを射撃した。
リノーツ:チッ、当たらない、か。狙うは宝石、それだけで良い。
エリー:リノーツ、リノーツ!!やめろ、やめてくれ!!
リノーツ:お前の意見は聞いてないから!!これが俺の仕事っ、俺らの仕事!!感情に揺さぶられるなよエリー!!割り切って考えろ!!
エリー:感情に左右されているのはお前の方だろう!どうして、どうしてそんなに・・
リノーツはまた2連発打っていました。
リノーツ:ああ、もう当たらないな。それなら、確実性のある。大丈夫、オレは。この命に代えても、任務を遂行する。死なば諸共だ。エリー、外に出てろ!!
エリー:っどうして!!
リノーツ:危ないからだよ!!っもういい、お前が出ないなら俺が出る!
リノーツはリズを担いでいた。

 

ラブドール

エリー:お前何を・・
リノーツ:早く、遠くに・・っ!!
リズ:っやめて!!離して、助けて、エリーさんっ!!
エリー:リズ!
リノーツはこの辺で良いでしょ。さよなら、リアルドール。俺と一緒にバイバイだ。
この時に、エリーが駆け付けた。
エリー:やめろ!!!
リノーツ:えっ、
エリーはリノーツに射撃してロノーツが爆発しました。

 

ラブドール

リズ:ふう、危なかった・・まさか爆弾を持っているなんてすこし間違えれば私たちもグチャグチャでした。幸い威力は弱いようであの人がバラバラになっただけで済みましたね。ああ、胴がつながっていることに感動を覚えます。助けてくれてありがとうございます。エリーさん!
エリー:・・・!
リズはリノーツが爆発したところに来てました。
リズ:よいしょ、っと。リノーツさん、死んでしまわれたのですね。自分の命まで投げ打ったのに、私を破壊できなかったなんてこの命に代えても、仕事は遂行するでしたっけ?叶いませんでしたね。何も交換できず、ただ無駄に命を失くしまっただけでした。ああ、なんて可哀想な人。あくまで優先順位は仕事の遂行なんですね、どうしてそんなに熱心なんだか。
エリー:リノーツが、死んだ。胴がいくつにも分かれ、手足はあらぬ方向に曲がりながら千切れ、大量の血を床に塗っている。まるで、中から爆発したリアル人形のようだ。こんなの、本当に、現実に起きていることなのか?俺の・・俺のせい?いやでもだって、仕方ない。このままではリズが破壊されてしまうから。だから、リズを助けた。でも、これはリノーツを見捨てたことと同義になる?どうして、どうして、どうしてこんなことに、一体何を間違えたんだ、俺は。全て、夢だったなら良かったのに。
リズ:何をほうけているんですか?邪魔者が居なくなって嬉しいですよね?あなたは私を愛してくれているんですから。
リズはエリーのほっぺを触って言いました。
リズ:ねえ、エリーさん、これからもずっと一緒にですよ。私の理想郷へ、ようこそ!

 

ラブドール

ルース:ふふふん・・
同僚:おや、ルールさん。おはようございます。それは何ですか?
ルース:おはよう~!へへ、これねえ。昨日、御姉さんと一緒にリノのプレゼントを買いに行ってね。リノのを俺が買ったら、「じゃあルースくんのは私が買うね」って言ってくれて!お揃いだよ、嬉しい~
同僚:へえ、それは素敵ですね。
ルース:でもリノに言うの忘れちゃってさ、帰ってきたら言おうと思ってるの!
同僚:そうですか。リノーツさん、喜ぶと良いですね。
ルース:うん!リノ、早く帰ってこないかなあ。

 

ラブドール

リズは棺を見てこう言いました。

リズ:100年後も、200年後も、ずっとずっと私を愛してくださいね、2人とも。

終わり

リアルドールと紅の破壊者ー第22回

エリー:落ち着け、リノーツそこまで声を荒げる必要あるか?
リノーツ:あるに決まってるでしょ。お前の処遇が勝手に決められそうになったんだよ?気に食わないんだよ、エリーのことを知ってるような態度取っちゃってさあ。
エリー:そうか。なあ、お前に確認したいんだが、リズは保護対象に入るのか?
リノーツ:ああ、お前もあの性格じゃ保護は難しいって思った?まあ、一応はね。性格趣味嗜好がアレでも、記憶持ちはかなり貴重な存在だから・・少し性格に難があるけどそれは別に問題ない。オレラに危害を加えなければ、の話だけど。でもあの様子じゃわかんないよ。ここを離れる気が無いんだったら、手足をもいで無理やり引っ張って行くしかないけど。
エリー:そ、それは待て。まだ方法があるかもしれないから。そう、彼女がどうなっていたって俺を救ってくれた彼女に変わりはないのだから。俺も、彼女を救えたのなら、俺はこれから先も、彼女と一緒に居たい。胸を張って誇れるように、ここではなく、正規の場所で。ただ、不安なのは、彼女が、俺たちと共に来てくれるかどうかだ。俺が、リズを説得しなければ。リノーツ、リズのことは俺が説得する。俺も彼女のことはどうにか保護したいと思ってるから。あの子を、失いたくないんだ。
リノーツ:そう、了解。あ、待ってエリー。これ持っておいて。
エリー:なんだ?これ、俺のペンダントじゃないか。お前、俺の部屋に入ったのか?
リノーツ:あー、それはごめん。でもこれ、要るかもしれないでしょ。今から持ってた方が良いよ。
エリー:ああ、まあ、一応は。ありがとう。
エリーはペンダントを手に入れた。

ラブドール

エリー:リズ、俺たちと、来る気はないか?その、俺たちの拠点なら、俺と一緒に居られるし。だから・・
リズ:魅力的なお誘いですね。ですがエリーさんのお願いでも、それはムリです。私、この場所に居ないといけないんです。愛されていた記憶を反芻するために、アルバートを置いていけと言うんですか?
リノーツ:無理そう?つーか本当に欲深いやつ。2人も自分の物にする気かよ。そのアルバートさんだけで良いじゃん。なんでエリーまで巻き込むかなあ?
エリー:このままじゃ先に進めない、何か、何か、とっかかりは無いか?
リズ:というかあなた、いつまでここに居るんですか?私とエリーさんの邪魔なのでもう帰ってくれると嬉しいんですけど、

ラブドール

リノーツ:は!?オレに言ってんの!?エリーがお前の提案を受け入れたって勝手に思わないでくれる!?っつーか、オレはエリーの増援としてここに来たんだって!こいつが連絡を寄越さないから俺は呼び出されてこんな夜中に仕事に出る羽目になったんだよねえ!
リズ:へえ、あなたが例の・・そっか、あなた、可哀想ですね。
リノーツ:あ?
リズ:だって、出る予定の無かった仕事にわざわざ駆り出されて来たんですよね?私たちのゲームに巻き込まれて同情しますよ、本当に可哀想。
エリー:おい、リノーツ?
リノーツ:お前、わざとなのかそうじゃないのか、よくわからないんだけどさあ。その言葉、使うのやめてくれない?嫌いなんだよ。
リズ:あら、お気に障りましたか?申し訳ありません。あなたがいかにも自分が不遇であるかをペラペラ話してきたので同情しただけなんですけど、言い分がめちゃくちゃですね~
リノーツ:初対面のお前には言われたくないんだよ。俺に対した言葉じゃなくても、見下されてるみたいで嫌なんだって
リズ:ふうん、でも、本当に、心から思ってるんですよ?可哀想だって
リノーツ:お前!
リズ:邪魔なんですよ、あなた。
リズは包丁でリノーツの首に当てていた。

ラブドール

リノーツ:っ!!う、ぐ・・
エリー:リノーツ!!
リズ:あれ?血が滲んできました。痛いですか?私、こっちの腕は傷を付けていないはずなんですけど・・もしかして、最初から怪我をしていたんですか?そんな状況でよく来れましたね?無理やり、駆り出されて、可哀想に。
リノーツ:やめろお前・・そんな言葉をオレに浴びせるな・・違う、オレは可哀想じゃない、これは俺の仕事だ。
リズ:そんな可哀想なあなたを、さらに追い詰めるようで心が痛むんですが、邪魔者は、殺さなければなりませんね?

ラブドール

リノーツ:殺す?
リノーツは後ろに一歩下がった。
リズ:っ!!
リノーツ:殺すなら殺される覚悟くらい出来てるんでしょ?エリー。悪いけど、もう無理だよコイツは。もう、どうにもできない。
エリー:っそんな。
リノーツ:ねえ、リアルドール。おれはさあ、この仕事を必ず遂行したいの。破壊するべきなら破壊。保護するべきなら保護を。デストロイヤーに危害を加える者は破壊。お前なもう、保護対象じゃない。ああ、本当に愚かな奴!来世はもっと良い者になれれば良いね?自分の不甲斐なさを恨みな。エリー、下がってろ!!ここは俺がやる!!
リズは一歩下がっていました。
リズ:っ、やめてください!!

リアルドールと紅の破壊者ー第21回

リズ:アルバート、ねえ、どうしてなんですか、私はどうしたら良いんですか。
アルバートと自分が一緒に映った写真が飾られている。
リズ:あ、これ、私の宝箱。そうだ、最近これに触っていませんでしたね。アルバートが私にくれたブローチ、本当に、きれいです。アルバートとの思い出がよみがえりますね。あ、そうだ、それです。どうして今まで気が付かなかったんでしょう。こんなに簡単なことなのに。そうだ、そうですよ。大切なものは、閉じ込めてしまえばいいんです。
宝箱に入れるように。ずっと一緒に居られるように。私を愛してくれないあなたは、愛してくれたあなたに変えてしまえばいい。
リズ:アルバートの部屋に行きましょう。そうだ、武器を持ってこないと、調理場に、ありましたっけ。
リズは調理場へ行って包丁を手に入れてアルバートの部屋に入りました。
リズ:アルバート
アルバート:リ、リズ!?どうしたんだ、危ないよ。そんなものを持って歩いては。

ラブドール

リズ:ねえ、アルバート。あなたが私を愛してくれなくても、私はあなたのことが好きなんです。ずっと綺麗で、楽しかった日々を心に宿したいと思っています。だからね、お願いです。私のために、死んでくれませんか?
リズはアルバートを殺して地下の棺に閉じ込めました。
リズ:ふふ、大切なものは、宝箱に入れなくてはなりませんね。アルバートが用意してくれた棺、前に二つ取り寄せてしまったんですよね。少し抜けているところも、愛しい。アルバートの持ち物を全部集めました。本当に、この場所が、宝箱のようです。彼の服も着替えさせましたし、これで、私の完璧なアルバートになりましたね。今は少し世界が荒れていますけど、私が眠って、目覚めた後はきっと平和です。えっと、この宝石を壊せば、しばらく眠っていられるんでしたね。次目覚めたら、この部屋には毎日来ましょう。ふふ、妄想が捗ります。これでいつまでも一緒ですよ、アルバート。また後で、会いましょう。
また、現実の世界に戻った。

ラブドール

リズ:目覚めた後はもう平和で、穏やかに彼と暮らせるとおもっていたんですけど、まだデストロイヤーが居たんですね。誤算でした。
エリー:知らなかった。リズがそんな過去を持っていたなんて、記憶を取り戻したのは良いことだ。記憶持ちとして、保護する条件を満たしたのだから。でも、この状態だともしかして、もしかしたら、彼女のことは、保護できない?理解はしていたはずだった。この関係が長くは続かないなんて、わかってはいたんだ。こんなの、ただの一抹の夢なんだって、でも、だからってこんな終わり方になる必要はないだろう!?こんな、こんなことで!こんな些細なことで!!彼女を失うなんてリアルドールが主人を殺したからなんだ?そんなの俺たちには関係無い。誰が死んだとか、誰を殺したとか、そんなの全く、一ミリたりとも保護の条件に影響はない。無い、はずだ。

ラブドール

リノーツ:はあ、主人殺しのドールね、そんなことがあり得たんだ。ドールは人間の補助をする目的を作られた人形。そのはずだったけど。自我を持つからには、想定外のことも起こりうるのかな。作られた人形であっても精神疾患があるなんて、改めてみるとやっぱりおかしいよね。
リズ:私たち、ずっとこの屋敷でアルバートの形見を探していましたけど。絶対に見つかるはずがなかったんですね。だって、私の求めているものは全て、私が、ここに集めてしまったんですから。ここは、私とアルバートの理想郷です。私たちのことは放っておいてくださいと言いたいところなんですが。エリーさん。
エリー:なんだ、リズ。
リズ:ねえ、あなたも、私とずっとここに居ましょう?
リノーツ:はっ!?
エリー:・・!
リズ:あなたは、可愛いものがお好きなんでしたよね?私のところでなら、あなたを可愛らしく着飾ってあげますよ。それを許さない人なんていません。私しかいないんですから。ね、どうですか?この先もずっと一緒に居てくれないですか?エリーさんと話すのは楽しくて、嬉しくて、本当にすばらしい時間でした。だからこれからもそうでありたいのです。この場所で、私と共に暮らしましょう?
エリー:っ俺、は・・
リノーツ:ふざっけんな!!
エリー:リノーツ!?

ラブドール

リノーツ:さっきから黙って聞いてりゃ好き勝手言いやがって!!エリーはうちの大切なメンバーだよ、お前の勝手な都合でどうこうしていい存在じゃない!お前のことは嫌いだし、納得はいかないけど、黙って保護下に入れよ。もう!それで終わりだ!
リズ:なんですか、あなたは後からしゃしゃり出てきて、私とエリーさんの間に入らないでください!
リノーツ:はあ!?俺にとっちゃ後からしゃしゃり出てきたのはそっちなんだけどなあ!?
エリー:リ、リノーツ!ストップ!一旦やめろ!リズもちょっと待ってくれ、少しだけ、考える時間をくれ。
リズ:わかりました。
エリーとリノーツは別の部屋に行きました。

リアルドールと紅の破壊者ー第20回

リズ:大切なアルバートが居ない今、私が存在する意味はありませんから。先程は自壊をしようと思ったんですけど、そういえば、リアルドールは自身を死に追いやることはできないんですよね。エリーさんがしてくれないので、リノーツさん、どうか、お願いします。
リノーツ:え、は?反撃してるわけじゃ、ないの?いかにもこれからエリーに危害を加えますって様子に見えたけど・・?
リズ:私ただ、私自身を破壊してもらいたいだけですよ。
リノーツ:ああ、そうなんだ。そういうことなら別に・・お前の悪い癖だね、エリー。壊せる条件が揃っているにも関わらず実行しない・・そのドールに情が移りでもした?まあ、破壊を望むドールがナイフを突き立てる意図はわかんないんだけどさあ・・やるならお前がやってあげなよ。その子が破壊を望んでいるのなら。

ラブドール

エリー:ダメだ。ロノーツ。彼女は、リズは記憶持ちだから。
リノーツ:え?ああ、なるほど。そういうこと、記憶持ちだkら、破壊を望まれていても壊せないんだ?それでこんな込み入った状況になってるってわけね。記憶持ちの出現、異例だなあ、そりゃ連絡もできないほどになるってことか。わかった。つまり破壊じゃなく、保護が仕事になるんだね。オッケー、把握した。えーと、リズちゃん?今の聞いてたよね。多分エリーから説明があったと思うんだけど、通常ドールは破壊するもので保護することなんて滅多にないんだよね。でも、それはほとんどのドールには記憶がないから。過去の記憶があったのなら、壊す必要は無いでしょ?君は貴重な、記憶を持つドールだ。申し訳ないけど、記憶持ちのドールは保護する契約なんだよね。だkら君の意見は通らない。主人が亡くなって悲しいでるところ悪いんだけど、これから君は文化の保全のために俺らの保護下に置かれて・・

ラブドール

リズ:うるさいです。
リノーツ:え?
リズ:うるさいんですよ!!
リノーツ:・・っ!?
エリー:リノーツ!!手が・・
リズ:あ、あ・・ごめんなさい、つい・・!!申し訳・・申し訳ありません!!違うんです。少し脅しそうとしただけで、本当に傷を付けるつもりは・・
リノーツ:ああ、うん・・別に、大丈夫・・
エリー:リズ、その包丁はどこから出した?
リズ:え・・私の服のポケットに入っていて・・とっさに・・
エリー:さっき拾った・・なあ、もう一つ、聞いてもいいか。その包丁に付いてる血は誰のものだ?
リズ:え?あ、本当です。元々付いてる赤黒いこれは・・
リズは昔の記憶を思い出した。

ラブドール

リズ:ああそうだ、私・・
エリー:リズ?
リズ:アルバート、は・・
リズは前に発見した棺に向かいました。棺を開けて中にはアルバートの骸骨です。そして、リズの顔で悪の笑いが見えます。
エリー:!?
リノーツ:なにこれ、白骨化死体・・!?どうしてこんな場所に・・
エリー:この服は・・リズが持つドール写真に映っていた男性の・・どうして、彼がここに?
いやどうして、リズは・・主人が無残な姿で見つかったこの状況で・・笑っているんだ?リズ・・
リズ:ふふ、ふふふ・・ああ、すみません、エリーさん。私、嬉しいんです。別に私も一緒に死ななくても、アルバートはずっとそばに居た。死んでくれたんです。私のために私の宝箱に入ってくれている・・これがまごうことなき証拠ですよね。アルバートは戦争に行って亡くなられたのではありません。ずっと最後まで、私と一緒に居てくださって・・ああ、本当に素敵ですね?
エリー:リズ、お前・・もしかして・・
リズ:そうです。私が、アルバートを殺しました。

ラブドール

「マーガレットさん!?あなたがドールを隠し持っていることはわかっているんですよ!!窓から見えたんだ!ほら、居るじゃねえか!!っ、やめてください!!彼女にはリズには、手を出さないでください!!うるせえ、邪魔をするな!!いちいち手間取らせやがって・・良いよ、お前から殺してやる!!嫌だ、アルバート・・!!」
アルバート:ああ、ああ、なんてことだ。
私はある日、私たちの家に訪問してきたデストロイヤーを殺してしまいました。でも、それは仕方がなかったんです。私はドジを犯して、デストロイヤーに見つかってしまった時、彼らはドールを匿ったとしてアルバートを殺そうとしてきたんですから。私は私の友人を命がけで守りました。彼らを殺してしまったのも、正当防衛でした。私はアルバートを守ったことで、誇りを持って彼を見ました。しかし彼は・・青ざめた顔で私を見ていました。
リズ:どうしてそんなに慌てているんですか?私はあなたのためにしたのに。敵はいなくなりましたよ、アルバート
彼は以前、私を棺に入れ閉じ込めることを提案してきました。あの時は、その準備をしている最中だったのですが・・私がデストロイヤーを殺したあの日から、アルバートは少し変わってしまいました。私の目を見なくなりました。私を抱き締めなくなりました。私と一緒に、話をしてくれなくなりました。私のことが、疎ましくなったのでしょうか?もう愛してはいないのでしょうか?まだ私はあなたと一緒に居たいのに。あなたは今、何を見ているんでしょうか?私じゃない誰かを、その目に映しているんでしょうか?

リアルドールと紅の破壊者ー第19回

デストロイヤーに告ぐ。「逃げて、逃げてくれ、もうそこまで来ている、すまない、どうか、逃げてくれ」「ダメだ、きっともう、彼女は」
リノーツ:これ、俺に言ってんの?逃げろって何・・・?情報が少なすぎる。他には何か書いてあるかな。あ、このページとかマシじゃない?透かしてみよう
「〇月〇日、今日は、街でアルバートにアクセサリーを買っていただきました!彼が得選んで私にプレゼントしてくれたのです。本当に、彼が私のことを思ってくれるだけで心が温かくなって、嬉しくなってしまいます。私はドールなのに・・なんて言ったらまた彼に怒られてしまいますね。結構頂いたアクセサリーが増えてきましたので、失くさないように小物箱の中に入れておかなければ。これが私のコレクションというものでしょうか?これも、仕舞っておきましょう。宝物は、壊さないように大切にするべきですから。」

ラブドール

リノーツ:あ~、なるおど?リアルドールの日記・・ということはこの部屋はドールの部屋なんだ。でも、この文体じゃコイツはまるで人間のような・・へえ、当時を生きてたわけじゃないし、ドールについての知識も浅いから適当なことは言えないけど、ドールなのに部屋を貰ってたんだねえ?人間みたいに物までコレクションしちゃってさ。変なの・・ここに居たのは「普通のドール」じゃないね、これ。オレが昔アイツから聞いた話じゃ・・ドールというのはただの人間の補助目的の人形で、人間にただ使われ暮らしていた・・物として割り切っていた。そういう道具だったと思うんだけど、民衆が立ち上がり、戦争となったのはその便利な道具が無くなるのを恐れたからなんだよね?違うの?わっかんない。昔のことは。まあオレらルブルムソール協会のメンバーはアイツの存在でドールに対する価値観が人形としての物じゃなく、人間よりになってる部分があるから、あまり昔の価値観は理解できないんだけどさ。長年のドール調査で概観はわかってきたみたいだけど、細かいところは全く明らかになってない。文献やドールの記憶伝いじゃ全てを把握することができないからなあ・・そもそも保護してる記憶持ちのドールも少ないしね?せめて、アイツの記憶が戻れば、もう少しどうにかなるんだけど・・いや、難しいかもね。オレのことを全く覚えてないんだから、それより前のことなんて・・
「トン!トン!」地下からこういう音が来ました。

ラブドール

リノーツ:この音、地下から?一体何が・・
リノーツは部屋に出て隣の部屋の前に来ました。
リノーツ:あ、ここから地下に行ける!全く、おあつらえ向きな場所だね。急がなきゃ・・!うっわ、なにこれ!何かを引きずった、血の跡・・はー・・見慣れてるつもりではいたけど、いきなり出されると流石にビビるな。黒く変色してるし、かなり昔のものらしいね。上の階にも血があったし・・前にここで、何かがあったのかも。いや、今はそれどころじゃないか。この場所にはエリーは居ない・・ここからさらに下の階に行けるのか。梯子ね、ああいや、大丈夫大丈夫。きっと問題は、無い。う、痛・・

ラブドール

リノーツは自分の腕を見て・・
ああ、血がにじんできてる。やっぱり腕の傷、まだ痛むな・・まあ午前の仕事で同じところを抉られて、まともに傷が塞がってないんだから当たり前だけど、かなりザックリ腕が切れてること、傷が開いたことを会長やヤブ医者に言ったら止められたんだろうな。俺はケガすることが多い・・そんなのわかってるから、無暗に周りに言わないんだ。
いつもはかすり傷程度だったけど、こんな大怪我は久しぶりかも。きっとこの傷も跡になる。でも、服で隠せば問題はない。あーもう、コンディションが最悪だ。でも、これは仕方ないからね。早く行こう。!ここだ、何か聞こえる。エリーの声だ。それと、もう一人女の子の声・・いったい何を言って? っ!!
リノーツは地下の室に入ってエリーがリズに押し倒れたことを見ていた。

ラブドール
 
リノーツ:そこまでだ!!
エリー:っ!?リ、リノーツ。
リノーツ:ハロー、エリー。色々言いたいことはあるんだけど・・そこのお前、何してんの?そのナイフ、退けろよ。
リズ:誰ですか、あなたは?
リノーツ:聞く前に、先にナイフを退けてくれない?
リズ:誰だと、聞いているんです。
リノーツ:チっ!俺はエリーの同僚のリノーツ。直属の上司。上司といってもオレの方が数年先輩で便宜上ほんのすこし地位が上になってるから。そういうテイで優先的にエリーのサポートをしてる感じだけどさ。で、今回そいつからの定時連絡がないから無理やり応援に来ることになったんだけど、どうしてこんなことになってんの?
リズ:同僚、なんですか。
リズは立ち上がった。
リズ:エリーさんと同じ、デストロイヤー様ですね。それなら丁度良いです。リノーツさん、早く私を壊してください。

リアルドールと紅の破壊者ー第18回

アルバート:うちにドールはいません!お引き取り下さい。
政府がデストロイヤーを派遣しはじめ、彼らは各家庭に住むリアルドールを次々に破壊していきました。どうしてドールを廃絶させるという思考に至ったのか・・そんなことを考えても抗議しても、政府はどんどん事を進めていったのでした。もちろん私たちの家にも彼らは来ました。そのたびにアルバートが否定し私を守ってくれました。私は物陰に隠れて彼らが帰るのをじっと待つしかありませんでした。この戦争は終わる気配がない・・連日のデストロイヤーの訪問に疲れ切ってしまったのでしょう、アルバートは私を棺に入れて地下へ閉じ込めることを提案してきました。

ラブドール



アルバート:すまない、すまないリズ・・君を救うにはこの方法しかないんだ。
リズ:わかっております、アルバート
アルバート:今は少し世の中が混乱してるから・・少し眠っていてくれ。この戦争が終わったら迎えに行くから。
リズ:はい。
アルバート:準備を進めてくるよ。どうか、どうか君が無事でありますように。愛しているよ・・僕の友人、リズ。

ラブドール



また現在のシーンに変えました。
リズ:それから、もう100年も経ってしまったのですね。戦争は表向きは終結したらしいですが、その後もまだデストロイヤーが残ったドールを壊して回っていたので、アルバートは私をお迎えに来れなかったのかもしれません。アルバートは私の主人としてだけでなく、友人としても、大切な存在だったんですよ。ああ、ああ、アルバート・・どうして私を残して逝かれてしまったのですか。
エリー:友人?その関係が?それは、その言葉で収まることのない。関係の勘違いをしているのだろうか、それはまるで恋人のようじゃないか?いや、それよりも。リズ、さっきの言葉・・
リズ:だからエリーさん、お願いです。早く私を、壊してください。
エリー:どうして、そんなこと。記憶が戻ったのなら、そんな必要はないじゃないか!
リズ:エリーさん?何をぼーっとしているんですか?早く、早く、壊してください!!それがあなたの仕事じゃないんですか!?
エリーは後ろに下がっていた。
リズ:早く、早く!早く、早く、早く!!早く、早く、早く、早く!!!なぜ黙っているんですか、どうして壊してくれないんですか。そのナイフは飾ですか?
エリー:う、リズ・・記憶が戻ったんだろう!?それなら、それならもう破壊する必要は・・
リズ:いいえ、ありますよ。あなたが、それをできないと言うのなら、
リズはエリーに近づいた。

エリー:リズ!?何を
リズ:あなたを殺して、私も自壊するしかないのです!!

ラブドール



一方、リノーツさんはその建物の外に着きました。
リノーツ:ああ、ここね。ほんっと遠かったなあ。飛行船を使ってもまあまあ時間がかかったし。何?俺への嫌がらせなの?発信源は2つ。エリーと、今回のドールか。点と点が重なってる・・2人は近距離にいるみたいだ。エリー・・無事でいれば良いけど。とりあえず、行こう。
リノーツは正門に来ました。
リノーツ:うわ、何これ!?扉が粉々になってる。乱暴だなー、あいつ、いくら力があるからって。
リノーツは中に入った。
リノーツ:おかしい、何も音が聞こえない。ここに居るのなら、どこかで物音がしていてもおかしくないのに、発信機はここを指してるから、場所はここで合ってると思うけど。部屋の奥に行っちゃったとか?それとも、どこかで倒れているとか。エリー!!いるのなら返事しろ!!クソ、探すしかないか。アイツならどうせ大丈夫だ、なんて軽視してたこと自体間違ってたのかもしれない。反撃を食らっているなら、ドールが近くに居る状況は危ない。早いところ見つけてやらないとこの俺が、反応からすれば、ここら辺だと思うだけど、この機械、壊れてんのかな?もしかして、俺が何度か落とした時にやっちゃったか。これじゃあ、すぐに駆け付けられない・・エリーを早く見つけってあげたいけど、現状アイツの居場所がわからない。もしかしたらどこかに、潜んでるのかもしれないし・・むやみやたらに動いて、見つけるべきものを見落とすよりは・・仕方ない、時間がかかるけど、部屋を回ってエリーを探そう。迅速に。

ラブドール

この時、リノーツは破壊された廊下に来まして黒くて深い穴を見て。
リノーツ:何これ、ボロボロじゃん、流石にここは渡さないね。
また、他の所に行きました。
リノーツ:!ここだけ、空気が違うような・・ここは・・誰の部屋?ああ・・微かだけど臭うな。この黒くて鼻につく淀んだ異臭は・・血の臭いか。独特な臭いは掃除しても取り切れないって言うからねえ・・すこしだけ、この部屋を調べよう。

棚の前に来ました。中には小物やアクセサリーが入っている。

リノーツ:女向けの物、かな。

リノーツ:手帳が落ちてる。読めない、読めない、ああこのページも読めない・・ページが全部黒く塗りつぶされてる?というか、これ、血だね。血が付いた手でペタペタ触ったのが黒く変色したのかも。戦争の名残り?いやわかんないな。あ、最後のページは一部だけ文字が読める・・黒く染みてる部分もあるけど結構筆圧も強いし、光に透かせば読めそうかな。えっと・・え・・・何か見えます。

リアルドールと紅の破壊者ー第17回

エリー:ダメだ。このままじゃ俺たちの関係は終わる。どうにか、どうにかしないと、解決策を、出さないと。それなら、俺が・・待ってくれ、リズ。
リズ:とうしました?やっぱり体調がすぐれませんか?
エリー:いや、違う、違うんだ。その・・少し、オレの話を聞いてくれ。あのな、リズ、俺と一緒に来ないか?お前が記憶持ちじゃなくても、オレがどうにかしてお前を守るから。だから,このまま、俺に壊されなくても良いだろう。
リズ:ダメですよ、エリーさん。本来の目的をお忘れになっては、あなたはとても優しい人・・そのことは短い間ですが、一緒に過ごして、よく理解しています。こんなことを言うのもアレなんですが、形見を探すのもあなたと一緒だから楽しくて、あなたと話せて私は嬉しかったです。幸運だなって思いましたよ。
エリー:オレもだ、リズ。
リズ:でもね、だからこそ私はあなたに仕事を全うしてほしいのです。あなたと約束した通り。捜索を終えたら私を破壊してくださいね。それがあなたの仕事なんですから
エリー:・・そう、だったな。悪い、変なことを口走ってしまった。
リズ:いえ、良いんですよ。さあ、先に進みましょう!
エリー:ああ。
2人は地下のある室にたどり着いた。

ラブドール



リズ:わ、急に開けましたね!広い空間、ここ、本当に地下なんでしょうか?旦那さままったらこんな場所を所持していたんですね。知りませんでした。ね、エリーさん!少し調べてみましょう!
エリー:ああ。
エリー:これは?
リズ:あ!それ多分私のです。私が持っておきますね。
2人はそれを拾いました。
リズ:エリーさん、見てください。これ、これ全部、旦那さまのものです。
エリー:っ!!どうして、こんなところに・・
リズ:わ、わかりません、私にも何がなんだか。でも、本当にここ、見覚えがあります。なんでしょう。私・・何か大切なことを忘れているような・・あ、その、棺は・・
愛しているよ・・リズ。
どうか、君が無事でいられるように・・
いつまでも待っていますよ、XX
リズ:旦那さま・・?私、どうして・・

リズは「リズ、ねえ、リズ、お願いがあるんだ。どうか・・僕のXXになって」という旦那さまの言葉を思い出しました。

ラブドール

エリー:どうしよう、ついにこの時が来てしまった。主人の形見が、見つかってしまった。嫌だ、嫌だ・・リズともう会えなくなるのは、お前を失ってしまうのは、こうなったら、どうにかして彼女の記憶を取り戻させるしか・・リズ?どうした?
リズ:エリーさん、私・・思い出しました。
エリー:!!本当に、本当か、リズ!?
リズ:はい。
エリー:ああ、良かった、これで・・
リズ:だからね、エリーさん。早く私を壊してくれませんか?
エリー:え?
リズ:すべて思い出しました。旦那さまとの日々を。私と彼が、何であるのかを。私たちは・・私と、アルバートは・・強い絆で結ばれた、友人だったんです。
リズはまた昔のことを思い出しました。

ラブドール

リズ:私はある日・・旦那さまと約束をしました。
アルバート:ねえ、リズ、お願いがあるんだ。
リズ:なんでしょう、旦那さま?
アルバート:あのね、改めて言うのは気恥ずかしいんだけれど・・君に、生涯僕の傍に居てほしいんだ。僕の友人として、どうかな?
リズ:友人・・そんな、私が、良いのですか?リアルドールである私がそんなこと・・
アルバート:卑屈にならないでくれ、前に言っただろう?君は立派な女性なんだってドールなんて関係ないから・・どうか僕の友になってほしい。どうか、僕と一緒に居てほしい。
リズ:もちろんですよ、旦那様、私もあなたのことは好きですから。ずっとあなたと共に添い遂げることを誓いましょう。私の友人として愛してますよ、アルバート
アルバート:ふふ、僕も愛しているよ。この先、ずっと一緒に居よう。

ラブドール

彼と生涯を共にする約束。
彼が申し出てくれたことで、私と彼はドールと人間の主従でない、特別な関係になったんです。
とても、ともて嬉しい日でした。
彼は私を購入した時から私を人間として扱い、友人として対等に話をしてくれました。
時にはチェスをしても盛り上がったり、一緒に散歩に出かけたり・・ピクニックに行ったこともありました。
だからこそ、私がアルバートに心を許すのに長い時間は要らなかったんだと思います。彼との日々は本当に素敵でした・・この時間が、将来ずっと続いてほしいと願うほどに。しかしその生活は突如として断ち切られたのです。

ラブドール

少し経った後、新聞で奇妙な記事をよく目にするようになりました。
リズ:王都に住むドールがまた誘拐されたらしいです。怖いですね、何か被害が出なければいいんですけど。
それはとある組織が、ドールを基にした。殺戮兵器、「マリオネット」を作り始めた予兆でした。マリオネットの数は徐々に増え、王都を中心として人々を次々に葬っていきました。彼らはドールを狙いませんでした。次のマリオネットの種となるから、そう命令されていたのでしょう。どこかの組織がマリオネットを使って人々を殺す理由なんてわかりませんでした。もしかしたら、何かの憂さ晴らしのためだったかもしれません。そんな記事がよく新聞に出ていました。私たちの住むこの町は王都からかなり離れている・・だけど安心はできず、私たちは怖々とした日々を送っていきました。しかしとうとう・・・