韓国でラブドールの使用は変態行為だと言われる?

韓国の女性団体が何を競争相手と考えているのか、理解に苦しむことがたびたびある。最近、韓国ではラブドール(高級ダッチワイフ)と女性AIチャットボットを巡り、女性と男性が対立した。

 男性らがラブドールを対象とした売春が成立するかを裁判所に判断を求めたところ、裁判所はラブドールの輸入やラブドールを利用した営業行為は法的に問題がないと判断した。だが、女性団体は「ラブドール自体が変態的」だとし、ラブドールの輸入業者やラブドールを利用したVRルーム、「ヒーリングルーム」と呼ばれるラブドール用プレイルームの禁止を繰り返し要求している。

 女性団体はアダルトコンテンツを楽しみ、ラブドールを使った変態的な性行為を楽しむ男性は性的暴力の潜在的加害者になるとして、規制を要求している。しかも、性売買の取り締まりでも処罰を受けるのは男性のみで、売春婦や風俗店の女性は被害者として国から支援金が与えられる。

 別のケースとして、あるIT企業が開発したAIチャットボットがセクハラ議論に巻き込まれたこともある。

 フェイスブックメッセンジャーを基盤とした「イルダ」という名のチャットボットで、人工知能ディープラーニングアルゴリズムを原理としており、メッセンジャーで対話できる。AIは無愛想で機械的な感じが強いが、開発者は多様な会話が可能な「20歳女性」という設定にした。

「イルダ」は男性の間で人気となり、2020年12月の公開と同時にフェイスブックのフォロワー数は10万を記録した。だが、一部使用者のセクハラ発言が判明し、韓国女性団体はイルダの使用者は皆潜在的性犯罪者だと言い始めた。

 女性団体の抗議に耐え切れなくなった開発者は、サービス開始から1カ月後の2021年1月の提供を中止した。韓国の女性団体はAIにも人格があり、一般女性と同じ待遇にすべきだと主張するなど、AIに対するセクハラが成立するかどうかをめぐる論議が過熱している。