リアルドールと紅の破壊者ー第12回

リノーツ:何この絵・・・ああそれ、ルースさんが私に描いてくれたんですよ。私がにっこり笑ってピースしてる絵です。なかなか良いでしょう?狂者の絵かと思ったよ
医者:ああそうだ、ボディ用の傷隠しシール、入荷してますよ。使いますか?
リノーツ:あ、使う使う。そろそろ在庫が無くなってきてたんだよねえ、いつもありがと。
医者:古傷には有効に使えますし良いですよね。じゃあ後で部屋に送っておきますね。エリーさんもこういう類のものを使うんですよね、たまに取りに来ますよ。
リノーツ:え、そうなの?変なの
リノーツ:よし、これを救急セット補充しよう。
医者:リノーツさんはこれからお仕事ですか?明日から休みが取れるんだと嬉しそうに話していましたのに。
リノーツ:ほんっとそうなんだよねえ。エリーの応援に行けってさ。今日はあのクソガキの仕事までやって疲れてるっていうのに、あのガキ、最近はよく仕事をするようになったし、しっかりしてきたと思ったんだけどなあ?
医者:ああ、ルースさんですか・・大変ですね、リノーツさんも。休養はしっかりとってくださいね。

ラブドール

リノーツ:そうしたいのはやまやまなんだけどねえ~これもオレの仕事なら、きちんと果たすよ。よし、これでオッケー。じゃあごめんね、お邪魔しちゃって。もう行くから。
医者:あ、待ってください。エリーさんのことなんですけど。。
リノーツ:あいつがどうかした?
医者:ええ、その・・・彼、最近医務室に来ないんですよね。いくら彼が丈夫と言えども、心配なのでたまにはここに顔を出すよう彼に言ってもらえませんか?
リノーツ:マジ? あいつ来てないんだ。わかった、言っておくよ。
医者:よろしくお願いしますね。では、気をつけていってらっしゃい。
リノーツ:うん、お前も頑張って・・さて、準備も整ったし行こうかな。あいつと話してたら落着いてきたな・・現状を受け入れられそうかも。うん、これはオレの仕事だ。エントランスホールに向かおう。ああ、そうだ、行く前に場所の確認もしないとね。えーと。
あー!!!!
!!!

ラブドール

ルース:リノ!リノ!リノ~!
リノーツ:うわ出た、ルース!
ルース:やっほーリノ!これからどっか行くの?
リノーツ:行くけど・・あ、もう、せっかくこれをオレの仕事だって受け入れてきたのに、お前の顔を見たらイライラしてきた!
ルース:えっなんで!?オレのせいにしないでよー!
リノーツ:オレのストレス全般お前のせいなんだよ、このクソガキが!!
ルース:も~~リノ、外行きの服だね?これからどこに行くの?もう夜だよ?
リノーツ:ああ、仕事だよ、急遽エリーの応援に。この服着てたらそれ以外無くない?
ルース:ふ~ん?
リノーツ:お前が今日午前中に女と遊びに行った分、オレがお前の仕事を代わりにやってあげたんだけど?仕事を放棄することを当たり前だと思うな、このクズ。ちゃんと働け!エリーもスースもオレにばかり仕事を回してきてさあ・・人の負担が尋常じゃなくない?
ルース:へえ、大変だね!リノ?
リノーツ:他人事みたいに言うなよ。この元凶が!!ほんっと信じらんない、お前もデストロイヤーだろうが!大人の一員だ、それなのにお前は毎日毎日女と遊んで
ルース:お姉さんはやさしいから好きだよー?
リノーツ:ああ、その「お姉さん」もお前のキレイな顔に釣られた。気の毒な人だよ!お前のこのクズっぶりを見たら幻滅するだろうね、心底!ああでも「お姉さん」たちは素のこいつと喜んで付き合ってるんだけ。うわあ、どこもだめだなあ。なんでこんなガキっぽいやつと?こんな奴、顔が良いだけの子供なのに。

ラブドール

ルース:リノ、オレを子供扱いしたり大人に見たり、混乱するからどっちかにしてよ~
リノーツ:お前自身がバラバラなのがいけないんだろう!?
ルース:も~、そんな怖い顔しないで!怒ってばっかりだと、しわが顔に貼り付いちゃうよ?笑った方が良いよー!
リノーツ:誰のせいだと・・!?って、あんまり長話もしてられないんだよ。俺はもう行くから。ルース、俺に何か用だった?
ルース:あ、えっとね、用はあるんだ!ちょっと付き合ってほうしいの!
リノーツ:はあ?今から?誘うにしても時と場合を考えてよ。俺が今から出かける格好してるの見えてるんでしょ?
ルース:ダメ?
リノーツ:あー。まあ、別にいいよ。急用?
ルース:いや別に!
リノーツ:は?ならなんで今頼んだんだよ・・
ルース:いーじゃんもうオッケー貰ったもん!俺の部屋に行こう!!
リノーツ:わかったよ。少しくらいなら、寄り道しても良いかもね。
ルースはチームに入りました。

ラブドール

リノーツ:用件は今話してくれた方がありがたいんだけど・・
ルース:やだ!オレの部屋に行ってからね!あれ?何か落ちてるね。何これ、本が落ちてるよ。誰かの落とし物かな?図書室に戻そっか?
リノーツ:いや待って。えーっと今これを借りてる奴は・・ジュンだね。まだ返却手続きもしてないみたいだし本人に返してあげれば?
ルース:あ、おれが返す流れなの?リノも一緒に行こうよ!少し寄り道していこう!
リノーツ:わかったよ。やることリストが増えたな・・・
落とし物、入手しました。

ラブドール

どこに居るかな・・
会長室に来ました。
ルース:やっほー会長~!
会長:おや、ルース君にリノーツ君。こんばんは。リノーツ君は・・まだ出発していないなんて珍しいね。どうしたのかな?
リノーツ:う、ああ・・申し訳ありません、会長。少し、野暮用がありまして。いえ、これを終わらせたらすぐにでも出発するんですが・・・
会長:ああ、大丈夫だよ、急かしているわけじゃないからね。ゆっくり出発するといい。
リノーツ:はい。
ルース:それで、会長!ジュン知らない?
リノーツ:ああ、野暮用というのはそのことで。少しばかり、彼女を探しているんです。
会長:ふむ、ジュン君か、私はずっとこの部屋にいるから、見ていないなあ。力になれなくてすまないね。
リノーツ:そうですよね。すみません、お時間を取らせてしまって
会長:とんでもない。また何かあったら来るといいよ。
リノーツ:寛大なお心、感謝いたします。
ルース:会長、ありがとー!