リアルドールと紅の破壊者ー第14回

ルース:んー!この場所面白いね!でもまさかエリーの部屋がこうなってるとは思わなかったな~なーんかよく部屋に引きこもってるな~とは思ってたけど、服作ってたからなんだね?すごいね!
リノーツ:まあ、アイツ本当に自分のことを周りに知らせないと言うか、口に出さないからねえ・・アイツがそういう趣味を待ってることは知ってたけど・・まさか、ここまで悩んでたなんてエリーのことは何でも知ってたつもりでいたけど・・案外知らないものもあるんだね。
ルース:へー!仲良いんだね?

ラブドール

リノーツ:仲が良いって言うか・・オレが小さいころ、エリーと会ったことがあるってだけだよ。まあ、エリーはそのことを忘れちゃってるみたいだし、今はオレがあいつのことを一方的に知ってるって感じ・・
ルース:あーでもそっか、おれリノがエリーと仲良く喋ってるところ見たことないかも。そのことエリーに言ったの?
リノーツ:前に一度ね。でもアイツ、意味わからないくらいオレのことを忘れちゃってるからムカついて・・ある程度距離とってるから、あんまり会話もしてないかも。
ルース:そっかあ・・まあでも仕方ないのかもね?10年以上前の記憶は大体薄れちゃうもんだからね~
リノーツ:んー・・そうだよねえ
ルース:色々見て回ったしそろそろ出よっか?
リノーツ:そうだね。
2人はエリーの部屋に出た

ラブドール

ルース:てかジュンはどこに居るんだろー?この辺りには居なくない?
リノーツ:もしかしたら部屋に戻っちゃったかもね。北棟に行く?
ルース:そうしよっか!待ってリノ、ジュンそこに居るよ!ジュン居た居た!でも、寝てるみたいだね。どうしよう、起こす?
リノーツ:おい、こんなところで寝てんな!!
ジュン:うわあ!!!あ、あー、なんだリノーツさんか。驚かせないでくださいよ。
ルース:ホントだよ、リノ、その言い草は酷い。
リノーツ:うるさいなあ、起きたんだから良いでしょう?
ジュン:あ、ルースも居たんだね。こんな時間に出歩いてるだなんて珍しい~
リノーツ:で、お前さ、本落とさなかった?ほらこれ。
ジュン:あー!僕、これ探してたんですよー!さっき返却期限が迫ってる本をまとめて図書室に返しに行ったんですけど、なぜかこの本だけ無くなってて・・色々寄り道してる途中で落としちゃったんですね、見つかってよかった・・
リノーツ:あー、すれ違っちゃったみたいだね。ごめん、余計なお世話だった?
ジュン:いえいえ!届けて来てくれてありがとうございます!
ルース:ジュン、おれの時と態度違くない?おれも年上なのに敬語使ってくれないの?
ジュン:敬う要素が無いだろお前は!!リノーツさんは僕が一番尊敬するデストロイヤーだから!お前みたいなサボり魔は眼中に無いわけ!
ルース:ええー?
リノーツ:へえ、よくわかってんじゃん。その本のタイトル、『リアルドールと紅の破壊者』だっけ?大分古くなってるね。

ラブドール

ジュン:あー大分前に発行されたものらしいので、少し傷んでますよね~
リノーツ:この本に出てくる紅の破壊者さんってエリーに似てない?
ジュン:ええ?それ、髪色だけで判断してませんか?僕がこの絵本を借りたのはですね、あこがれのデストロイヤーを脳に刷り込むためなんです!戦争末期に大活躍したとされる伝説のデストロイヤー!少し刃を振りかざしただけで、ドールが木っ端みじんになる絶大な力!赤く光る刃が太陽に反射し、ドールを委縮させていく最恐最悪のオーラー・・
リノーツ:それ、おとぎ話だからあんまり本気にしない方が良いよ。実際のデストロイヤーはそんなもんじゃないし。
ジュン:まあ、そうなんですけどねー!僕はあなたに憧れてますから!将来はリノーツさんみたいな優秀なデストロイヤーになるんです!
リノーツ:それはどうも。
同僚A:いたいた、ジュン君!部屋に戻ろう!僕たちはとっくに寝る準備終わってるよ!
ジュン:あ、ごめんごめん今行く!
リノーツ:呼ばれてるね。さっさと寝なよ、夜更かしは成長期の敵でしょ?
ジュン:わかってますー!リノーツさんはこれからお仕事ですよね?頑張ってくださいね、僕応援してますから!
リノーツ:はいはい。
ルース:んー・・ジュンも可哀想だよねー、頑張っても絶対にデストロイヤーになんてなれな。
リノーツ:は?
ルース:あっ、ごめんね。
リノーツ:ほら、お前の部屋に行くよ、俺に何か用があるんでしょ?
ルース:あ、うん!じゃあ行こー!
2人はルースの部屋に入りました。

ラブドール

リノーツ:で、何?用って

ルース:んふふ・・はい、どうぞ!これ、リノにプレゼント!
リノーツ:は?お前が、俺に?ルース、何か変なもんでも食べた?
ルース:もー!失礼なー!良いから開けてみて!
リノーツ:これ、ネックレス?
ルース:日頃の感謝ってやつだよ~!これねえ、今日の午前中にお姉さんと一緒に選びに行ったんだ!お店で一番きれいなのを選んだから!リノの瞳と同じ色!
リノーツ:これ、お前が買ったの?
ルース:そう!ちゃんと自分のお金だよ、いつもみたいにお姉さんに買ってもらうわけにはいかないから!
リノーツ:へえ・・なるほど、今日の午前お前が仕事を放りだしたのはそういうこと・・それでお前が珍しく今まで熱心に仕事をしてたのはそういうことね・・お金のためってことね。俗な理由。
ルース:もーいいから!ほら付けてみて!
リノーツさんネックタイを付けました。
つづく・・・