義理の妹は僕の添い寝になった物語

私は田中雄太。料理雑誌の編集者として働いている。仕事はやりがいはあるものの帰る頃にはへとへとだ。今夜も冷えたベッドで一人寝するはずだったんだけど・・
妹:んん~(僕のベッドで寝ている)
田中:みいちゃん、どうして君がうちにいるんだ・・
彼女は俺の義理の妹みれい。彼女の母親と俺のお父さんが一緒にに暮らし始めたのは俺が中学生の時だった。二人は事実婚だったので、俺とみれいの名字は違うけれど、当時まだ幼稚園に通っていたみれいは俺にとても懐いてくれた。
田中:ただいま・・
みれい:ゆーちゃん!!
みれいのお母さんも俺にとても優しくしてくれた。物心がついた時には母親がいなかった俺は思春期でうまく接することが出来なかったけれど・・
寝た時、いつもゆーちゃん!むにゃむゃと寝言を言いました。
いつもここにいるよと私はそう返事しました。

ラブドール

母さんが病気で他界したのはみれいがまだ小学生のごろだった。突然母親を失ったみれいは見ているこっちまで泣きたくなるほどに泣いていた。
みれい:ママーーーわぁーんっ
田中:みいちゃん・・
どうしたらまた笑ってくれるかな。そうだ!
田中:みいちゃん、今日から俺がママになっちゃダメかな?
みれい:えっ、ゆーちゃんがママに?ぎゅって抱っこしてくれる?
田中:うん。
みれい:髪、三つ編みにしてくれる?
田中:う、うん、頑張るよ!
みれい:一緒に寝てくれる?
田中:もちろん!
みれい:ゆーちゃん、ありがとう!
この時から俺は彼女の母親の代わりになったつもりで料理などの家事をするようになった。大変だったけれど、それがきっかけで俺は料理に目覚めたから。彼女のおかげで今の仕事に就けたようなものだ。
田中:大きくなったなぁ、みいちゃん。
俺が作ったタコさんウィンナーを喜んで食べていたみいちゃんは今年で大学を卒業する。父さんの話では彼氏がいるみたいだったけど、こうやって俺のところに来たということはまた別れたのだろう。
みれい:ゆーちゃん、聞いて!今日、林くんに告白されたの!
田中:えっ、先週は鈴木くんに告白されたって言ってたよね!?
みれい:うん!でも、お断りしたんだ。鈴木くんとは同じクラスじゃなくてよく知らないから。
田中:そうだったんだ。
みれい:林くんは同じクラスだし、優しいからOKしようかなと思ってるんだけど・・ゆーちゃんどう思う?
田中:えっ・・みいちゃんに優しくしてくれる人ならいいんじゃないかな?
みれい:うん、すごく優しいよ!この前の文化際の準備でもね・・
みいちゃんは中学生ぐらいからモテモテだった。元々可愛かったけど、成長と共にどんどんかわいくなっていった。そして俺は、それが自分の義理の妹だからなのかそれとも恋愛対象としてそう思っているのか自分でも分からなくなってしまったため、家を出て一人暮らしを始めた。

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みれい:ゆーちゃんっ。
田中:みいちゃん!?どうしたの!?
みれい:彼氏と別れたの・・ぐすん・・今日ゆーちゃんの家に泊めて・・?
こんな感じでみれいは彼氏と別れるとなぜかこうして俺の家にやってきては俺と一緒人寝たがるのだ。ここまでする必要はないと思いつつオレもみれいのことになると甘くなってしまって・・仕方なくシングルベッドを買い足してこうして二つ並べて置いてしまっている。
田中:うっ、む、胸が腕に当たってる・・はあ・・みいちゃん、起きてるんでしょう?
みれい:バレたあ?
田中:また、彼氏と別れちゃったの?
みれい:うん・・いい人だと思ったんだけどなあ。
田中:こないだも同じこと言ってなかった?まあいいんだけど・・それよりさ、どうして彼氏と別れるたびに俺と添い寝したがるの?
みれい:さびしくて・・?
田中:あのね、俺だって一応男なんだよ?
みれい:知ってるよ。ゆーちゃんはママでお兄ちゃんだもん。
田中:そう、だね。

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みいちゃんにとって俺は恋愛対象じゃないってわかっていたことだ。でも俺がみれいにドキドキしている時点で一緒に寝るのはよくない。もう来ないように言わなきゃな・・
田中:みいちゃん、あのね。もう一緒に寝るのはよくないと思うんだよ。
みれい:どうして??
田中:それは、さっきも言ったけど、俺は男で、女の子のみいちゃんと一緒に寝るのは・・
みれい:どうして?彼氏とはお泊りしたよ?
田中:うっ、俺はみいちゃんの彼氏じゃないからね?
みれい:ゆーちゃん、私のこと嫌いなの?
田中:そうじゃないよ。
みれい:本当に?
田中:本当だよ。
みれい:じゃあ、好き?私の彼氏になってくれる?
田中:えっと、それは・・
みれい:わたしはゆーちゃんが好きだよ。
田中:えっ
みれい:ずっとずっと好きだった・・でもゆーちゃん全然気が付いてくれないし。多分家族だからダメなんだろうなって思って・・
俺と同じことと考えてたんだ・・
みれい:いろんな人と付き合ったけど、やっぱりゆーちゃんじゃなきゃダメなの。
田中:みれい・・
みれい:ねえ、ゆーちゃんは私のことどう思ってるの?
田中:それは・・
ここで好きだと言ってしまったら、家族として築いてきたものが崩れてしまうような気がした。でも、真剣なみれいの表情を見て嘘はつけないと俺は思った。
田中:好きだよ。オレもずっと好きだった。
みれい:え?本当?ゆーちゃん!うれしい!チューして!
田中:ちょっと・・・
みれい:どうして!?
田中:そ、そんな急にはだめだよ・・さっきまで妹だったのに・・
みれい:私じゃ・・キスしたくならない?
田中:い、いや・・
みれい:ゆーちゃん
田中:そ、そんな格好したら冷えるでしょう!ほら、パジャマは一番上のボタンまで閉めて!裾はズボンに入れる!
みれい:えーーーー
田中:はい、もう寝る時間だよ。お水飲んだ?トイレ行った?
みれい:もお、ゆーちゃんって本当にママみたい。ま、いっか。これからはたくさん一緒にいられるし♪
田中:え?
みれい:おやすみい
田中:お、おやすみ・・?

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4月
はい、では今年の新入社員の笹塚さんに自己紹介をしてもらいましょう。
みれい:笹塚みれいです!よろしくお願いします!
田中:はあ!?なんでみいちゃんがうちの職場に!?全然料理できないのに、どうして料理雑誌の部署なんだ!?
仕事のことは田中くんに教えてもらったね。とても優秀な編集者だから、わからないことはどんどん聞くと良いね。
みれい:はい!
みいちゃんは義理の妹で、恋人で、俺の部下になりました。これからどうなっていくのか俺はドキドキを通り越してハラハラしています。